介護士が知っておきたい体位変換のポイント

介護施設で仕事をする介護士は、利用者の日常生活動作を介助するべくにさまざまなサポートを行っています。
中でも細心の注意が必要な業務として考えられているのが、体位変換です。

特に、要介護度の高い利用者が多く暮らしている施設では、思うように体を動かすことができない人や寝たきりの人は少なくありません。
もちろん、こういった方に対して頻繁に体位変換を行うことが必要になります。

ただし、体位変換をする際、介護士がいきなり利用者の身体に触れたり、本人の意志を無視して身体の位置や姿勢を変えてはいけません。
利用者が危ない目に合わないために、そして安心させるためには、体位変換を行う目的や内容を利用者にきちんと伝えて、同意を得てから始めるといった確認作業が大切です。

ちなみに体位変換には、長時間安静にしていて心身の機能が低下している利用者が、生活不活発病を予防できるメリットがあります。
体位変換を行う際には、一方的に介護職員の力で介助をするのではなく、できる限り利用者自身にも動いてもらうのが大事です。
それにより、手足の可動域や筋力を高めることにつながり、利用者のQOLを向上させることができます。

そして介護士は、利用者の心身の負担にならないように、「こちらに向きましょう」「起きあがりましょう」などやさしく声を掛けながら、作業に当たるのが重要です。

万が一、体位変換の際に利用者の健康状態の変化に気付いた際には、本人や家族に状況を報告しなければなりません。場合によっては、事業所の責任者などに体位変換時の観察結果を伝えて、医療機関への連絡や往診などを提案することも必要になってきます。